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エスカレーション対応のチケット駆動開発 後編

Dec 18, 2020

#ssmjp Advent Calendar 2020 18日目の記事です。

お話する時間は無かったので、 「チケット駆動開発がまわりはじめるまでの取り組み」では、 「誰が」「何をするか」「何をしているか」「どこまで出来ているか」が 少しずつチケットとして見えるようになってきたとだけ書きました。

エスカレーション対応のチケット駆動開発 中編 」では、 初期メンバーに対してヒアリングを行い、そこから運用ルールを作成し、 週次のミーティングを実施し、運用ルールを少しずつ調整していき、 巻き込むメンバーを徐々に増やしていったというお話を書きました。

後編では、中編の最後に書いた「チームメンバーを全員巻き込む」にあたって、 何を考え、どのように進めていき、どのような効果を得られたかについて書いています。

チケット駆動開発がまわりはじめるまでの取り組み

https://speakerdeck.com/zinrai/okr-tidd-case

現状の「ふりかえり」

「小さくはじめる」の時点では、 これを三ヶ月まわしてみることになるのかなと考えていましたが、 実際にやってみると三ヶ月で、初期メンバーと2名のメンバーを追加し、 週次のミーティングを行うまでの規模となりました。 「チームメンバーを全員巻き込む」フェーズに移行すると3名が追加され、7名になります。 ここまでに三ヶ月経過しているため、 一旦、現状を振り返り、これからどう進めていくかを決めることにしました。

エスカレーション対応のチケット駆動開発 中編 の 議題は、受けた問い合せやアラートを運用ルールに沿いチケット化してみてどうであったか、 こういったことを考えながらやってみているなどを参加者ごとにテキスト化し、話してもらうやり方となっていました。 話してもらったことに対する自分のフィードバックも話しをした人に対して行っていました。

このやり方は時間が一人一人が話をするので、時間が掛かります。 2人でやっていたときは、話す人は2人なので時間は気になりませんでした。 話を深掘りする余裕もありました。 4人になってくると単純計算で倍の時間が掛かってきます。 話を深掘りしようものならば時間はそれだけ吸われていきます。 7人の参加者となると、今までやってきた議題ではまわらないだろうと考えました。

話してもらったことに対してフィードバックする形をとると改善のサイクルが、 話してもらった人の中でしかまわらなくて勿体無いなと会議体を回していて思いました。

チームで取り組んでいきたいことであるのに、 個人の中で改善のサイクルが回り続けるというのは、 自分が目指していたところではないので、 この現状をなんとかしていきたいと考えました。

「問い合せやアラート対応に対して、 個人の中で改善のサイクルがまわるのではなく、 チームとして改善のサイクルがまわるようにする」 を目標に会議体を再設計することにしました。

KPTA

チームメンバーが「良いなと思っていること」 「やりにくいなと思っていること」「こうしていみるのはどうかと思っていること」などを書き出し、 これらをベースにチームで議論し、方向性を決めていくような会議体を運営したいと考えていました。

自分で何か考えるよりも、そういった仕組みが世に存在するだろうと考え、 探してみたところ KPTA を見付け、考えていた会議体を運営できそうだと思い採用しました。

キックオフ

チームメンバーを集め、 これから「問い合せ、アラート対応」を磨き上げていくために考えていることを共有し、認識を合わせました。

目的

チームとしてエスカレーション対応の改善サイクルを回し、行動に落とし込んでいけるようになる。

目標

会議体

隔週1回(1時間)

KPTA を書き出す場所を用意し、 会議体の前に、事前作業として、 Keep, Problem, Try を参加メンバーに書き出しておいてもらう。 同じことを考えている人がいることが見えることに価値があるため、内容が被っていたとしても書き出す。

当日の進行

前回の会議体までに対応した問い合せ、アラートについて Redmine のチケットを集計し、 参加メンバーごとに共有したいことをざっくばらんに話してもらう。 事前作業にて漏れていた Keep, Problem, Try をここで拾い上げる。

会議体を運営してみての所感

こちらも三ヶ月間のサイクルをまわし、 合計で7回の会議体を実施しました。

KPTA を書き出す場所を用意していたので、 参加メンバーは任意のタイミングで、 自分が思ったことを書き出せていることを観測しました。 私に、どうチケットを起票するか質問してきた後に、 「 KPTA にも追記しておきました」というコミュニケーションもあり、 参加メンバーが感じていることを会議体の中で、 議題として上げることができ、チームでの方向性を決めることができました。

会議体の中で、参加メンバーの問い合せ、アラート対応を集計し、 Keep, Problem を拾い上げることについては、 日次で行われているチームミーティングにて、 問い合わせ、アラート対応が共有されていたので、 考えていたような効果はありませんでした。

2つの Keep をチームでの行動に落とし込むことができました。

Try は一つも出てくることはありませんでした。

10 の Problem をチームで認識を合わせた行動に落とし込むことができました。

KPTA を使い、個人ではなく、チームで改善のサイクルを回し、 行動に落とし込んでいけたのではないかという感触がありました。

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